クズとしての生き方

今時流行らない赤裸々日記

そのぬくもりを

今日は、別れてからもずっと好きだった女の子と三年ぶりくらいに会った。

彼女の仕事が終わった後に最寄駅で待ち合わせて、お茶しながら小一時間ほど話して解散した。

茶店を出て駅まで歩きながら、俺から手を繋ぐと、彼女は困った顔で「これってどういう関係?」と言った。

改札前で別れる時、「ほんとに帰っちゃう?」と訊くと、彼女は「帰るよ」ときっぱり答えた。

改札の向こうに彼女が消えるまで手を振ってから一人で歩き出しても、彼女の手のぬくもりがまだ左手に残っていた。ありきたりなことかもしれないけれど。

そのぬくもりを消さないように、ぎゅっと拳を握ったり、ジーパンのポケットに手を突っ込んだり、色々試したけれど、あっという間に、彼女のぬくもりは消え去って、あとには得体の知れない感情だけが残った。